中世に流行した結婚指輪について

現代の結婚指輪のデザインといえば、シンプルなストレートタイプのプラチナリングが定番ですが、中世ヨーロッパの結婚指輪には当時の文化や技術を反映させた結婚指輪が産みだされました。その一つとして12世紀頃からヨーロッパで流行したフェデ・リングがあります。フェデ・リングは、手と手が握りあうデザインになっている結婚指輪のことで、フェデはイタリア語で「忠実」を意味します。握りあう手と手の図柄が夫婦の絆を表現しているため、人気がありました。

フェデ・リング以外には、15世紀頃のルネッサンス期に登場したギメルリングも有名です。このギメルリングは、2つの指輪が知恵の輪のようにつながっており、2つの指輪を重ねると一つの指輪になるように制作されています。ルネッサンス期の金細工職人たちの高い技術によって生み出されたギメルリングは、男女が結婚によって1組の夫婦なる姿を象徴しているため、人気がありました。宗教改革で有名なプロテスタントの創立者であるマルチン・ルターも自分の結婚のときにギメルリングを結婚指輪として選びました。

現代でもギメルリングは人気があり、プラチナとゴールドの素材違いのギメルリングやチェーンを通せばネックレスになるタイプのギメルリングも開発されています。ブライダルリングのモチーフとして現代でもよく使用されるハートの形は、17世紀から登場しました。17世紀の王族や貴族のマリッジリングには、ハート型のダイヤモンドの華やかなリングなども作られるようになりました。

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*